第51話

やっぱり、幼馴染以上にはなれないの?


賢人の特別にはなれないの?


やだよ。



酔っているせいかいつもより貪欲になる。



「それだけ?」


「え?」


「………なんでもない」



寝室に案内された。



「ありがと。ベッド借りるね」


「……ああ」



私は横になった。



「…………」



賢人?



後ろから抱き締められた。


自分でも何が何だかわからなくなった。


私が賢人に抱き締められてる。



「まだ、起きてる?」


「……ん」


「胡桃がこないだ言ったことを覚えてるか?」



私が言ったこと?



「辛くなったら頼っていいって」


「覚えてるよ……」


「このままでいいから聞いてほしいんだ」



私は頷いた。



「俺、自分なりに考えたんだ。結果、籍入れたって聞いてショックだった。美耶が好きなんだって」

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