第18話

「原因は浮気か。それは堪えるね……よく耐えたね。成美ちゃん」



成美の頭を優しく撫でた藤原さんが紳士に見えた。


優しくされたのが嬉しかったのか成美の涙腺が緩んだ。



「藤原さんはいつも1人で飲んでいるんですか?」


「いや、たまたま今日は同僚と飲む約束してたんだよ」


「相手の方は?」


「それが残業してたみたいで今向かってるみたいなんだけど………」



藤原さんは腕時計をチラチラと確認する。



「藤原さんはなんのお仕事してるんですか?私たちはファッション誌の編集の仕事してるんですけど」



チラッとスーツの襟を見た。



「………」


「もしかして、弁護士さんですか?」


「え、そうだよ」


「先輩スゴーイ!何でわかったんですか!?」


「胸元に光ってたから……」



指さす。



「なるほどね。宇田川さんて洞察力すごいなあ」


「そんなことないですよ」

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