第57話
部屋に入ると、玄関で無造作に靴を脱ぎ捨てて部屋のフローリングへと寝転んだ。
「疲れたぁ~」
初出勤は気疲れと体の疲れがダブルでやって来る。
しかも、恵美ちゃんのお店は結構忙しいので、足が棒の様に怠い。
かなり動き回ったと思う。
だけど、精一杯働いた達成感は心地良い。
ゴロンと俯せから仰向けに体位を変える。
白い天井をぼんやりと眺めながら、この街で生きていくんだなぁと漠然と思った。
恵美ちゃんと漫喫で知り合えて良かったぁ。
職場のイケメン達も話しやすいし、良い職場にも巡り会えたし。
あれは絶対、恵美ちゃんの人柄が皆を寄せ付けるんだと思うなぁ。
来るお客さんもイイ人っぽいし。
繁華街の真ん中にあるお店だから、変な酔っ払いや難癖を付ける人なんかもいるかも?と思ってたけど。
全くそんなこともなかったし。
疲れた顔をしてやって来ても、恵美ちゃんの料理を食べると皆帰り際には笑顔で帰っていくんだ。
恵美ちゃんパワーは凄い。
知り合って経ったの1日だけど、恵美ちゃんて奥の深い人だと分かる。
私の深い事情なんかを何一つ聞こうとしないで、住む場所と働く場所を与えてくれた恵美ちゃんには感謝してもしきれない。
今の私に出来るのは恵美ちゃんのお店で精一杯働く事だ。
「明日からも頑張ろう」
決意を新にする。
その夜はシャワーを浴びて部屋着に着替えると直ぐに眠ってしまった。
食後の運動しなきゃと思いながらも、疲れきった体は言うことを聞かなくて。
深い眠りへと落ちてしまったのだ。
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