第55話

「よ~し、客も引けたし、少し早いけど店締めよう」


厨房から恵美ちゃんの声がした。



「うぃ~っす」


と返事したのは進ちゃん、テーブルの上を片付け始める。



「看板入れてくる」


と外に出てったのは紘君。



「じゃ、私はブラインド下ろします」


と窓際へ行ってブラインドを操作する。



大きな窓か4つあるから、ブラインドも4つ下ろす。




看板を入れた紘君は店とドアを施錠した。


店の入り口は鍵が二ヶ所ある。


それを閉めてから、ドアの側の防犯のスイッチを押すらしい。


そうすればセトムが監視を始めるのだそうな。



紘君がブラインドを下げ終えた私に説明してくれた。




「はいはい、皆、夜食だよ」


恵美ちゃんの手によって次々にカウンターに置かれていくオムライス。



「私、水入れます」


カウンターの済みに置かれたグラスと水のピッチャーを準備する。



「じゃ、俺運ぶ」


進ちゃんが人数分のオムライスを近くのテーブルに運んでいく。


セッティングが終わった辺りで、恵美ちゃんもカウンターの外に出てきた。



時刻は11時30分。


お腹はしっかりと減っていた。




「「「「いただきます」」」」


四人でテーブルについて、手を合わせた。


こんな時間に食べちゃ太るなぁと思いつつも、美味しいオムライスに手が止まらない。



食べた後は寝る前に運動しなきゃだな。



明日からは21時終わりだから、夕飯はこんなに遅くならないと思うけど。


美容と健康には気を付けないとね。


女子はいつの時代も、スリムなボディにお肉はつけたくないのです。




「オムライス、美味しい」


本当に、ほっぺが落ちそうなほど美味しい。



「だろ?恵美ちゃんの料理は最高だよ」


と紘君が同意する。



「うん。色々味見させてもらったけど、恵美ちゃん神だし」


と言ったら、


「んもう。暁ちゃんは誉めすぎよ」


と頬をピンクに染めて恵美ちゃんは恥ずかしそうに笑った。



「確かに、恵美ちゃんの料理は最高だよな。俺、恵美ちゃん以上のシェフに最近会ってない」


と進ちゃんも唸る。



「あ~それは言えてる。他のカフェ行けないよな?」


と頷いたのは紘君。



「んもう、本当にあんた達誉めすぎ」


恵美ちゃんはかなり恥ずかしがりやだ。


でも、凄く嬉しそうな顔してる。



ヤッパリ自慢の料理を誉められるのは嬉しいよね。


私も向こうで作ってる時はそうだったもん。


そりゃ恵美ちゃんの足元にも及ばないけどね?

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