第47話

「あら、バイトは明日からで良いんだよ。今日はゆっくりすれば?」


と言われたけど、


「いいえ。今日から働きます。5時にはお店に出られる様に家の準備を終わらせます」


と言い切った。


働かざる者食うべからずだ。



「そう?じゃあ、5時から12時まで頑張って貰おうかな?」


と微笑まれたので、


「はい。分かりました」


と頷いた。



「今日から楽しくなりそうね。あ、後で布団と一緒にカフェの制服は持ってくるわ。服はMで良さそうね。暁ちゃんは要るものリストでも作っておいて。この辺の地図で場所を教えるから」


そう言うと恵美ちゃんは急いで部屋を飛び出していった。


あの人はやっぱり賑やかだと思う。



静まり返った部屋をぐるりと見渡した。


今日からここでの生活が始まる。


どんな風になるか分かんないけど、恵美ちゃんが居れば楽しくなりそうな予感がする。



「ママ、頑張るからね。この土地に基盤を作ったら迎えにいくよ」


私の声が部屋に響いた。



一先ず荷物を部屋の隅に置いて、メモと鉛筆だけを手に持った。



恵美ちゃんの言うように、要る物をリストを作る。


洗濯機と冷蔵庫と...ソファーにテーブル、あ、ベッドも欲しいかも。


一人用だからそんなに大きくなくて良いや。



後...音楽デッキは欲しいな。


音楽のある生活はしたいから。


さすがにピアノは置けないからね。



食器や鍋なんかの小物も要るなぁ。



色々書いてたらメモが埋まってしまった。



結構、お金要るかも。



リュックのそこから、ママに貰った通帳を出してみる。


開いてみると、そこには1が一つと0が七個も並んでた。



「い、1000万?」


声がひっくり返った。


ママってば、私の通帳にこんなにも振り込んでくれてたんだ。


ありがたく使わせてもらうね。



でも、こんなに私が貰って、ママの入院費は大丈夫かな?


後で連絡してみなきゃ。



「あっ!って言うか、新しいスマホ買わなきゃ。」


前のは伯母さん達に番号を知られてるからデーターを消して壊してから置いてきたんだよね。もちろんデーターのバックアップはSDに入れて持ってきたけど。


ママにも早く連絡しなきゃ心配してるだろうしね。


買い物の一番目は携帯ショップだ。

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