第85話

「行ったらお前、どうにかなると思ってんのかよ」


「…でも、」


「なんで昨日、連絡寄越さなかった?」


「……」


「俺があいつを狙ってたの分かってただろ!!」




私に向かって怒鳴り声をあげた穂高は、どこかへ行くのか清光から離れようとする。


亜貴が学校を辞めることを、穂高は知っていると思っていた。穂高はなんでも知っているから。

だけどそれは言い訳にはならない。

倭のために清光に入ってくれた穂高。

倭が不良にならないために、1つの派閥を乗っ取った男…。

倭の火傷の仕返しで、清光のやり方で自分の兄を潰そうとしていたのに…。





校舎の方で、窓が割れる音が聞こえた。




その音を聞いて、私は自分自身のスマホを投げた。



画面が割れる…。



倭の待受が、粉々になる…。






「……ごめんなさい………」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る