第24話

何も言わない倭に、私は近寄った。



「やまと、行かないよね?清光なんか…」



顔を覗き込むようにしても、倭は黙りを決め込む…。


舌打ちをした穂高は、そのまま部屋から出ていく。残された私たちは…。



「なんで?どうして清光に行くの?倭そこまで勉強出来なかったの?学力は低いけど西高でもいいじゃん。分からなかったら私が勉強教える…。だから、」


「──…西高ったって、お前言わねぇじゃん…」


「え?」



倭の声が小さすぎて、上手く聞き取れない。



「お前はずっとそう…」


「やまと?」



顔が赤く腫れてある倭は、ゆっくりと顔をあげた。






「…お前は何も知らなくていい…、これからも」

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