第23話

「はあ?」


「はあ?じゃねぇよっ!」


「つか何勝手に人の家入ってきやがって…」


「お前が勝手に人の兄貴んとこに来たんだろ!!」


「は?なんで俺が晃貴の…」


「今すぐ縁切れ」


「どことだよ?! 」


「清光に決まってんだろ!」


「…俺そこに入るからな、でもお前には関係無いよな?友達でもないし」


「お前がそこの怖さ分かってねぇから!」


「分かってるわ、だからボコられたんだろうが!」


「行くなよ」


「晃貴には関係ない」


「お前、」


「俺は俺のしたいようにする…」


「俺、マジで清光に入ったらお前と縁切るぞ」



穂高の言葉に、「…もう縁切ってんだろ…」と倭が言い返し。


乱暴に、倭の胸ぐらを離した穂高は、私に目を向けた。



「……原田、もう倭と関わるなよ」


「…え?」


「こいつは自分からさっきの男達みたいになろうとしてる」



倭が…。

さっきの、怖い人たちみたいに。

倭は不良だった。

授業をサボるほどの不良だった。



「知ってるか?その清光のやつら、原田の事見て廻そうとしてたぞ」



中学でも知ってる、清光高校は、問題児が集まる高校だと…。



「お前、倭たちに廻されたくないだろ?」



まわされたくない…。

それはつまり、レイプ…。



「清光では、上の言うことは絶対…。お前、原田をヤれって言われたらできんの?」


「…穂高」


「俺の事嫌いかしんねぇけど、絶対周りを巻き込むなよ」

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