第2話
この時はまだ、恋愛感情とかは無かったと思う。ただ本当に…キョウダイみたいな関係だった。そう思っていたのは多分、まだ思春期の時期か来ていたなかったからかもしれない…。
私のスマホは、倭の横顔が待受だった。
あれから「笑って?」と何度も言ったのに笑ってくれなかった倭。
中学の入学式がおわり、見事に倭と私のクラスは離れた。
別に幼なじみだからといって、ずっと学校の中で一緒にいるわけじゃない。
私にも友達がいるし、倭にも友達がいる。
ただ、キョウダイのような感覚としては、やっぱり倭は特別だった。
いわゆる不良の道に進んだ倭は、中学に入り遊び惚けているようで。
たびたび、授業中、廊下でそういうグループと歩いているのを見かけた。授業をサボってある倭に、こっとりとスマホを取りだしラインを送る。
『サボるならチョコ買ってきて』と。
倭からは『デブ』と返事が来ていた。
それでも不良の倭は、学校を抜け出し私にチョコを買ってきてくれた。優しい倭は、外見は変わってもそれほど中身は変わっていなかった。
そんな倭は、5月に入る頃には、別の小学校から来た男子生徒と仲良くなっていた。
不良っぽくないその人は、どちらかと言うとスポーツとか出来そうな、倭みたいな金髪が似合いそうな顔ではなく。
それでも、不良として、数人のグループと遊んでいた。倭と仲良くなったスポーツが似合いそうな彼は、倭からは「
1年生の学年で、そういうヤンチャな生徒は5人だった。晃貴って人以外の4人は私と同じ小学校っていうのもあり、特に喋りずらいというものはなく。
「倭ぉ、今日ゲーム借りてくね〜勝手に部屋入るよ〜」と、そのグループに向かって私が大きな声を出すこともあり。
それに対しても、周りはその光景に〝当たり前〟だった。
「おー」という倭は、いつまでたっても変わらない、仲のいい私の幼なじみ。
そんな私と倭との関係が狂いだしたのは、いったいいつからか。
倭が私に対して、笑わなくなってしまったのは──…。
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