第83話

ベットから起き上がった蛍は、私を連れて家を出る。もう蛍を抱き知ることが出来る私は、蛍のバイクの後ろにも乗ることが出来て。


ハンバーガーショップの駐輪場につき、私と蛍は手を繋いだまま店内に入る。



今日が土曜日だからか、店内はすごく混んでいた。私達の前にも5人ほど並んでいて。


蛍と「何にする?」と、言い合っていた時だった。





「やっぱな!見た事あるバイクだと思った!」



突然、近くで男の声がした。


その声に、ゾワっと鳥肌がたった私は、無意識に繋がっていた蛍の手を強く握りしめていた。



「久しぶりじゃん」



金髪⋯。

背が高く、不良っぽい外見の男が、蛍に話しかけてきて。そんな蛍は私を見た後、声のした方へと顔を向けた。



「よォ」



そう言った蛍の声は、低く。



「女できたのか?」


「まあな」


「だからお前、最近来ねぇのかよ」


「いや、やっぱ俺には無理だわ」


「ふぅん」

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