第77話

甘い言葉を呟く蛍の名前を、言われた通りに呟く。私が蛍の名前を呼べば、蛍は必ず返事をしてくれた。


体を重ねているのは、蛍だと再認識させるように。





私の中を充分に濡らし、

長時間私にキスをくれた蛍。


そんな私の足を抱えた蛍は、乱れた息を吐く私を見つめる。避妊具をつけたモノが、下半身に当たるのが分かった。



「⋯怖くねぇ?」


怖い、怖くてたまらない。



「⋯今ならやめれる」


「⋯や、めない⋯」


「やめよう、湖都の体、震えてる」


「や、やだ」



腰をひき、離れようとした蛍の手を、掴む。


戸惑う顔をする蛍は、「怖いだろ?」と、私を優しく見下ろし。



「お願い、やめないで⋯」


「湖都⋯」

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