第76話

私はほとんど、泣き叫んでいたような気がする。



「好き、⋯蛍が好き⋯、嫌いにならないで⋯」



私がそう言った時、抱きしめていた蛍の力が、より一層強くなり。

そのまま私を連れて立ち上がった蛍は、充電器が置きっぱなしのベットへと、私を運んだ。


泣きじゃくる私をゆっくりとベットに沈めた蛍⋯。




「嫌いになるわけねぇだろ⋯?」



嫌いになるわけない。



「蛍⋯」


「怖いと思ったら、絶対に言え」


「⋯ん⋯」


「それから、ずっと、俺の名前を呼ぶ事」



蛍の名前を、ずっと⋯?



「分かった?」



小さく頷いた私を確認した蛍は、私の頭の横に腕を置くと、抱え込むようにキスをしてきて。




何度も何度も、深く重なりあっていく。




「ほ、たる⋯」


「うん」


「ほたる⋯っ⋯」


「好き、すげぇ好き⋯」


「⋯っ⋯」


「大好きだよ、湖都」

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