第66話
蛍の家はハイツの2階だった。
初めて入る異性の家。
けれども蛍の家だと分かっているから、震えることなく、玄関で靴を揃えた。
蛍の部屋は、少しだけごちゃっとしていた。汚いというわけでもなく、服が散らばってあったり、テレビの前にはゲームが置きっぱなしだったり。
ベットの上には、スマホの充電器があり。
汚い⋯とよりも、本当に荷物が多いと思うような部屋で。
膝の高さぐらいの机の上には灰皿と、リモコン、ライターなどが置いてあった。
その上にコンビニで買ったお弁当を置いた蛍は、床に腰をおろした。
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