第64話
―――私の彼氏になったらしい蛍は、お母さんを校門前で待つ私に仕事場から直ぐに気づき、お客さんがいない時は手をふってくれた。
帰りの時間と、休憩時間が合えば、お母さんが車で迎えに来てくれるまで一緒に隣で、手を繋ぎながら待ってくれるようになった。
蛍と付き合っていると言うことをお母さんに報告した私に、「良かったわね」と、本当に安心した表情を見せてくれて。
そして、蛍が仕事の休みの日は、お母さんではなく、蛍が私を家まで送ってくれるようになった。
蛍は「湖都と手ぇ繋ぎたいだけ」と、照れながらそう言い、電車に乗り、私を家まで送ってくれる。
好き⋯。
本当に、蛍が好きだと思う。
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