第49話

「あ、たし⋯、夜はダメで⋯」


『用事あんの?』


「用事、というか⋯」


『門限厳しいとか?』


「う、ん⋯」



門限が厳しい。

本当は門限なんて、両親からはあまり言われたことが無いけど。


嘘をつく罪悪感が、芽生える⋯。



『んなら、昼だな、何食べたい?』


「なんでも⋯」


『女って、パスタとかの方がいいのか?』



パスタ?



「女の子がパスタを好きなのか分からないけど、パスタは好きだよ」


『んじゃそれで。店探しとくわ。つーか家どこだっけ?』


「家は――⋯」



本当に迎えに来てくれるらしい蛍。住所や、近くにある建物を言えば、蛍はすぐに場所が分かったらしい。

ちなみに蛍の家は、私の学校の近くみたいで。


4駅分、離れている距離。



「この辺、詳しいの?」


そう聞く私に、蛍は『ちょっと遊んでた時期がある』と言っていた。

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