第48話

そう思ってしまうのは、蛍に会いたいという気持ちが、あるからなのか。



『飯とか行かね?』



ご飯?

それなら、大丈夫だと思った。


食べる場所ならたくさんの人がいる。



そう思った私は、「うん、ご飯なら⋯」と返事をした。男の人と食べに行く、というのは人生で初めての事で。



『んじゃ、18時頃迎えに行くわ、家どこ?』


「え?」


『だから、家、迎えに行くから』


「あ、そ、そうじゃなくて⋯」



私は昼の、ランチタイムだと思っていたから。


あの事件以来、私は夕日が沈んでからは外に出ていない。まだ、夜が怖くて外に出られないから。



夜ご飯に行くつもりだった蛍は、『何?』と、電話越しで不思議そうに聞いてきて。

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