第43話

気になる?

好き、ではなくて?



「教えてくれよ」



付き合いたいから狙うのに、好きではないらしい。



「多分、つーか、絶対。あんたのこと好きになると思うから」



本当に、意味の分からない言葉に、自分の顔が赤くなるのが分かる。私の事を、絶対に、好きになるらしく。



「無理?」



こんなの、告白されているのと変わらない。


恥ずかしい。


その気持ちよりも、嬉しい気持ちの方が勝っている私は、スクールバックからスマホを取り出した。



男が怖いのに。


あの日を忘れることは、1度も無かったのに。

毎日毎日、気持ち悪い感覚が私を襲ってくるのに。




「―――また、夜、電話するわ」



そう言った彼は、道路を渡り、仕事場へ戻っていき。登録された番号と、ラインの連絡先。



私は番号を見ながら、夜って、何時ぐらいだろう?と、考え込んでいた。

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