第42話

「あんたのこと、狙ってるから」



狙ってるから。

当たり前のように言ってくる彼。


狙ってるから?


狙うって⋯。



「⋯え、狙う?」


本当に意味が分からない私は、眉をひそめた。それを見た蛍は、何故かケラケラと笑いだし。



「なに、天然? それとも鈍感? 」



そんな事を言ってくるけど、本当に何故狙われているか分からなくて。



「湖都と付き合いたいから、狙うっつー意味」



私と付き合いたいから。


狙う。


やっと意味が分かった私は、自分の顔が真っ赤になるのが分かった。



狙うって、そういう意味⋯。




「あ、たしの事⋯好きってこと⋯ですか?」



恐る恐る聞けば、蛍は「好きっつーか、気になる」と、ズボンの後ろのポケットから、黒いカバーのついたスマホを取り出し。

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