第40話

「え?でも⋯」


「これ、あんたがいると思って、買ってきたやつ」



ということは、私に買ってきたということ?




「この時間にここにいるの、もう覚えたしな」



もう覚えているらしい。



「早く取れよ、溶けるぞ〜」



そう言われて、私は無意識にそれに手を伸ばしていた。私のために、買ってきてくれたらしいチョコレート。



「あ、りがとう⋯ございます⋯」



素直に嬉しくて、お礼を言った。

彼が、コンビニの中で、私を思い出していたと言うこと。ドキ⋯とした私は、チョコレートを掴む手が、無意識に強くなった。



その刹那、「なあ」と声をかけてくる蛍が、私を呼び。なんだろうとチョコレートから、蛍へと見つめ返した。



何?


そう思って、首を傾ける。




蛍は少しだけ困っている顔というか、よく分からない顔をしていて。


なんですか?と言おうとした時、「連絡先とか、交換しねぇ?」と、言ってきて。

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