第36話

「超ハード」と言いながらも、それほど嫌な顔はしていなく。



蛍は私から道路の方に目をやると、横断歩道のない道路を渡るためか、左右をちらっと見渡し。





「頑張ってください」




そう言った私にフっと笑った蛍は、この前と同じようにフラフラと手をふりながら、道路を渡って行った。







次の日も、リハビリとして15分ほど校門前でお母さんを待つ。待っている間、斜め向かいにある車屋さんが、どうしても視界の中に入ってくる。



今日は休憩中じゃないらしい蛍が、作業着を着て、首には黒色のタオルを巻き、車の側面で何かをしていた。



その光景をぼんやりと見ていると、逆側の側面に移動する蛍が、一瞬、こっちを見た。

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