第34話

その次に彼を見たのは、それから4日後だったような気がする。


黒い車のボンネット、というところ開けて、何かの作業をしていた。後ろ姿でもすぐに分かったのは、透き通るほどの明るい茶髪を持っていたから。






「よぉ」


と、校門前で喋りかけられたのは、それから1週間後のこと。またコンビニに行っていたらしく、喉の枯れが治まったらしい彼はもう、マスクをしていなかった。




紺色のツナギを着た蛍は、「今日もリッチ下校か?」と、お母さんを待っている私に聞いてくる。




私がこうしてここにいるのは、今日からリハビリのためにと、校門の前でお母さんを15分程待つ事になったから。

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