第33話

「今日は学校、早く終わったんですか?」


この時間帯に、いるっていうことは。




「いや?俺、学校行ってねぇから」



行ってない?学校に?そう言われて驚く。高校は当たり前のように通うものだと思っていたから。




面白そうに笑う蛍は、「じゃ〜な、そろそろ戻るわ」と、煙草を持つ手で、フラフラと手をふってきて。



煙草を吸いながら、信号もない道路を、車が来ていない事を確認して渡っていく。



そんな彼の紺色のツナギの後ろ姿を、ぼんやりと眺めていた。



普通に喋れている。

3ヶ月前よりもマシになった私の体は、少しずつ、治ってきているらしい。

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