第20話

綺麗な二重の瞳が私に向けられた時、ビクッと、小さく肩が動いた。




「いや⋯、喉がすげぇ痛い」


「そ、それ⋯って、⋯あたしの、せいでしょ、うか?」


「え?」



男は意味分からないという顔をしながら、顔を傾けてきて。



「き、のう⋯水を、かけてしまった⋯から」



恐る恐る言った直後、少しだけ、沈黙が流れ。



ふっ⋯と、喉が枯れた笑い声が耳に届いた後、「あんなのでひくかよ」と、目を細めて呟いてきて。

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