第16話

やっぱりプロなのか、カウンセリングの受ける前より、調子が良くなったカウンセリング後。



「会計行ってくるわね、ここで待ちなさい」


「うん」



お母さんの背中を見送りながら、私は会計の待合のイスで座っていた。



鞄の中からぼんやりと何も考えずスマホを取り出そうとした時、ふと、手から滑り落ちたスマホ。


床に落ちた音が響くも、見た限りではスマホの画面は無事なようで。私は手を伸ばし、スマホを拾おうとした。




けれどもそのスマホは、私では無い、誰かの手によって拾われる。

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