第11話
「他の男と接触した罰、これからじっくり受けてもらうからね」
トレーナーの中に千里の手が侵入し、下腹部を優しく撫で回し始めた。先程の行為を思い出してしまい、汐璃の頬は瞬く間に紅潮した。
(私の体力が根こそぎ奪われてしまいます……っ!)
恐る恐る振り向き辞めてください、と訴えかけるように窺うが。千里は猫目を細めて艶然と微笑みを浮かべて無言の訴えを払い除けた。
汐璃は己の身の危険を察知した。
二人は一眠りした後、週末のほとんどを千里の言うお仕置に耽って過ごした。
その間、ボイスレコーダーに録音されて、動画を撮られて、「少しでも別れを考えたらネットに流す」と脅された。
その時の千里は狂気に満ちていて、恐ろしいものだったが、そんな千里すらときめいてしまう汐璃もいかれている。
手枷を外されたのは、日曜日の夜の帳が降り始めた頃だった。
ストーカー行為をする女と、歪んだ愛情表現をする男。
二人は、まさに破れ鍋に綴じ蓋……この言葉がしっくりくるだろう。
end.
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