第26話

結衣は片手にアイスを持ちながら時間を確認し、留姫空ちゃんがもう帰っている事が予想される時刻である事を確認し、電話をかける。留姫空ちゃんは直ぐに電話をとってくれた

「留姫空ちゃん大丈夫?あんまり話せなくてごめんね。お父さんの事もお母さんの事も心配だよね」

「九瑠璃さんのお陰で前向きになってた!留姫空の名前の所以とか今反芻してた。お父さんとお母さんは凄くロマンチックだなって思ったり、でも私も特別になってるんだなって思って少し怖い」

「大丈夫。私も特別だと今思ってる。お婆ちゃんが私に赤の珠を任せて、母さんは留姫空ちゃんじゃなくて私に問いかけた。私が今回の事の鍵なんだと思う。だから留姫空ちゃんが主体となるんじゃなくてついて来てほしい。それは私達兄妹家族のためなんだと思う。まだ廻子さんのストップが掛かるかもしれないけど、私はこの件を今のまま収めたくない。だから廻子さんと話すというより、貫こうと思ってる。」

外気にも悴んだ手を使いアイスにかぶり付く。。

「私もこのまま終えたくない!母さんや父さんの事もっと知りたいもん。もう会う事も叶わないかもしれない。。見つかる気がしてた時はそんな事全然頭の中から外してたけど、今はその感覚が私を突き動かしてたんだと思う。今じゃなきゃ会えなかった。今深めないともう得られない感情がそこにはある」

「そうね。私達で最後は何とかしましょう。私が先陣をきるからアイディアは教えてね。留姫空ちゃんに無理して欲しくないから」

「ありがとう」

「九瑠璃の事も気になるし電話切るね」

「ありがとうお姉ちゃん」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る