第79話

「大丈夫か!?死ぬな!!死ぬんじゃねぇぞ!!」



「ゲホッ!!ゲホッ!!」



大丈夫だから、落ち着け。


と言いたいところだが話せない!!


話せる状態にない!!



そしてリンが背中をバシバシと本気で叩くから背中が痛い!!



何これ拷問!?


拷問なの!?



これアレだ、死亡原因はリンだ。


間違いない!!



イオリーッ、助けんか



「『……』」




おぉーうっ!?


なんか居た!!



なんかあたしの胸の上に居るんだが!?



「ゴホッ……ぅぅ…っ」



『……』




可愛いのですがーっ!?


なんか妖精?みたいなので可愛いのですがーっ!?



髪も瞳も水色で、大きさはあたしの手ぐらい。



足はなく、人魚の尾っぽみたいになってる。



召喚獣リヴァイだと思う。



あたしが見るのは成体だけれど、その成体の姿を小さくしただけだから間違いない。



もしかしてこの子が“雨”の原因ーー?



「うぉっ!?リヴァイ!?」



「今頃……気付いた……んかい」



「おお、もう大丈夫なようだな」



「背中が重傷だ」



「湖に落ちた時かっ」




アンタだよっ



アンタがバンバン叩くからだよ!!



と言いたかったけど、本当に心配してくれているのは伝わったから黙っておく。



後でリリ嬢に回復魔法をかけてもらおう。



うん。



『……ヒック』



「どうした!?どうした!?」



ホロホロと水色の瞳から流れる涙に狼狽えるリン。



落ち着け。



「あたしの名前はマツリ、で、こっちがリン。アナタのお名前は?」




安心させるために笑いかけて自己紹介する。























『っっ。レイラ』

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