第77話

「たはーっ」



ドッとドッと疲れたわ……。



ベッドに倒れ込む。



「しかしさすがレベル1。死にそうになるの山の如し」



「え?何その言葉。使い方あってる?」



「知らん!!」



胸を張って答えるイオリ。



コイツ……本当に適当だな。



「お前もな」



「テヘペロ」



「キショい!!」



「酷い!!」




幼なじみになんてことをっ。



死にかけか……。



そうだ、死にかけた時何か……言葉を聞いたんだ。



確か……



"帰って来ない"


"待ってる"



そんな言葉だった気がする。



帰って来ないって、誰が?


待ってるって、誰を?



この声の主が雨を降らせている?



わからん!!


よし!!



ベッドから飛び起きPS4の前へ。


全ての答えはこの中だ!!



コントローラーを掴もうとした瞬間



「待てーーぃっ!!」



「ぐぇえっ!?」



襟首を掴まれ、引き戻される。



「昼飯くらい食っていけ」



「昼飯……?」



もうそんな時間か?



時計を見ると時刻は午前十時を少し過ぎたところ。



まだ昼でもない。



「腹が減ったのか?」



「減った」



コクンと頷くイオリ。



素直で可愛いな。



イオリはこんな可愛い顔して大食いだ。



「わかった。食ってからにする。で?何食う?」



「ピザ!!」



……なんか冷蔵庫にあったな。



「ん」



二人で一階へ



「それにしてもマツリ」



「うん?てか、危ないなら階段ではゲーム止めれ」



「うぃー」



注意するとイオリはすぐにゲーム機の電源を切った。



「ゲームの世界でもアホが際立ってんな」



「なぬ!?」



アホが際立っている……だと!?



「嘘……だろ」



「マジ」



どキッパリと言われ、あたしは撃沈した。



アホが際立っている……か。



大分……
























心当たりがあるな。



己のアホさを振り返りつつ、出来上がったトースターでチンするだけのピザを食べジュースを飲んで、あたしはまたゲームの世界へ。



「今度は早め救出を頼むぞ!!」



「見てたらな」



「見とけよ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る