第63話

「なんだよ、アンタら……」




女の子を庇うようにして立ち、あたし達を睨む男の子。



ハッ!!



わかるっ、わかるよ!!


この二人幼なじみだ!!



うちのとこの幼なじみ、通称春樹もよくこういうことをしようとするっ。



あたしもイオリも守られるなんてガラじゃないから、いつも春樹を押し退けて前に出てるけど。



こっちの女の子は怯えるように男の子の背中にしがみついてる。



なるほど。


あれが正しい行動なんだな。



がっ無理だ。



そもそもあたしもイオリも弱々しい態度は似合わないし、出来ない。



やったとしても……大爆笑されるのがオチだ。



一人頷き、頭の上からズリ落ちてきたイフィートをキャッチしていると




「安心してください。私達は怪しい者ではありません」




そう言ってメガネが一歩前へ。



いやいや怪しいだろー。


どう見ても怪しいだろー。



辺境の地に突然現れた謎のパーティーだぞ?



ゾイドくん、もう少し言いようが……。




「私達は父を訪ねて三千里なのです」




そうか、父を訪ねて三千里か……


それはまた壮大な……って!!



「……!?」




……!?



おもわず二度見した。



目をカッ開いて二度見した。




パクりかぁー!?


少しアレンジが加えられてるがパクりかぁー!?



てか、ゲームの世界でしょ、コレ!!



なんでメガネが知ってんのさっ。


アレかっ作った人の遊び心かっ。



しかしそれをメガネに言わさんでも。



頭が良さげなメガネに言わさんでも。













メガネブチ割るぞ?

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