第61話

そだね、あたしには2日間のお休みがあったけど王子には休みなかったね。



いやはや、すまないね王子。


あたしだけ休んで。



王子を見てゆっくりと頷いた。




「なんだよ」



「イフィート」



「無視か」



『なーに?』




ヒョッコリとイフィートが顔を出す。



やはりあたしの谷間から。



お?お?



どうなってんだろうね、これ本当。



あたしが居ない間はイフィートは何処に居るんだろうね?



まっわからもんはわからんわ。



考えるのを放置してあたしは背負っていたリュックからイフィートへのお土産を出して素早く着せてやる。



それは雨ガッパであった。



ぬいぐるみ用で縮んだイフィートにピッタリだった。




『何?コレ』



「雨ガッパって言ってね、これを着たら雨も平気だよ、ホレ」




あたしは自分の谷間からイフィートを引っ張りだし肩に乗せる。




『ぎぃいいいっっ…………!?』




叫んで火を吐こうとしたイフィートだったけど。




「ね?」



『本当だ!!凄いっ、凄いーーっ!!』




喜んでくれるイフィート。



おお、グッジョブ自分。



と、自分で自分を誉めてたら




「可愛いわね」




と近寄ってきたリリ嬢が言う。



穏やかな微笑みで。




うっっ美しい!!



イラストレーターさん、ありがとうっっ!!



しかし何故こんな美しい人を、ゴリ……ガラ好きに設定したんだか、謎である。



いつか解明しようと思う。




「なぁ、マツリ」



「ん?なんだね、ガラさんよ」



「お前……リュックなんか背負ってたか?」
















ドッキィンッ!!

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