第60話

「間抜けな」



「間抜けだな」



「うるせぇな。それよりこれ」



「「??」」




春樹が指差したのはコンビニの窓ガラスに貼られていたポスター。



それは夏祭りのポスターだった。



夏休み後半の風物詩である。




「一緒に行こうぜ」




目を輝かせて言う。




「え?」



「あ?」



「えっ!?」




あたし達の反応にビックリする春樹。




「春樹……友達居ないのか……」



「寂しい……寂しい奴め……」




イオリ共々春樹から視線を逸らす。




「おるわっ!!が、お前らとはこの時期しか一緒に居られねぇだろっ。だからっっ」



「「春樹」」



「……なんだよ」



「すまん」



「悪いな」



「えっ!?」



「「ゲームするから無理」」




さっきまでのケンカしてた二人はどこへやら、仲良く声を揃えて言うあたしとイオリ。




「1日ぐらいすんなっっ」




「「えぇー……」」



「えぇー……じゃねぇっ!!」



「春樹、うるさいよ」



「ここを何処だと思ってるんだ、バカめっ」



「お前らが言うなーーっ」



「……お客様」



「「「……すみましぇん」」」




コンビニから追放されたのであった……。




























その日と次の日は宿題を真面目にやり……。



進んだかどうかはさておき……。



結局は宿題の量は一緒だったという。



アホぅイオリがあらゆる宿題をなかったことにしていたという。




その2日で、ギックリ腰も落ち着いたところでっ。




いざっ!!



第一村人に突撃じゃぁああああーっ!!



イフィートへのお土産も持って準備万端。




「じゃ、行ってくるぜ!相棒!」



「いってら」




なんとも覇気のない声に送り出され、2日ぶりにファイナル・クエストの世界へと飛び込んだ。


















「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」



「!?なんだよっ!!」



「あっ、王子か……ビビった」



「ビビったのはこっちだわ」




入ってすぐ目の前に居たのがゾンビだと思い、絶叫したらただの王子だった。



ビックリした……。




ゾンビゲームの世界に来たのかと……。

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