第56話

『あかーんっ!!』




関西弁!?



えっ!?


ちょっ、なんだと!?



召喚獣も関西弁話すの!?



他の四人は召喚獣が叫んだことにビックリしてるみたいだけど。




「ちょっイフィートッ、あんた……にょああああっ!?」




ポフュンッ。



そんな音がしたかと思うと、イフィートが今よりまだ小さくなり……



トカゲくらい?



あたしの服の中に入ってきた。




なんにゃらーっ!?


この召喚獣ーーーっ!?




「イフィート!!このバカッ!!」




イフィートを叩き出そうとするあたしは、端から見たら変な踊りを踊る人にしか見えないだろう……。




あの後、お菓子をしっかり食べて。



皆で頑張って、一時間かけて森を抜け出した所で雨がサァサァと降っていて……いきなりのイフィートのこの言動である。




『プゥッ』



「プゥッじゃないわっ、このバカ召喚獣っ。どこから顔を出してんだっ」




顔を出したイフィートを掴もうとしたらまた潜られた。



こっ、こしょばい!!




イフィートが出てきた場所は何処かって?



胸の谷間である。




そんなボリューミーではないけど、そこそこあるからねっ!!



さぞかし居心地が良かろうよー!!




『そうでもない』



「殺すよ?」



「マツリさん!?」




ギョッとゾイドがあたしを見る。




「雨じゃない?」



「ほ?」




リリ嬢を見る。



凛々しい(シャレとかではない)表情で前を向いていた

リリ嬢は、鬱陶しげに空を見上げた。



ここに喚ばれてから、初めての雨だ。



あたし的にはそんなに鬱陶しくはないけれど……。




「イフィートは炎の召喚獣だからな、雨とは相性が悪い」




顔をドス黒くさせて、ゾンビみたいな歩きの王子。



これ、アレだ。



きっと今、HP黄色のやつだ。



でもそうか、なるほど。




属性ってやつだな。



イフィートは炎で水に弱いのか、ならしゃーない。




『プフゥッ!!』




またしても胸の谷間からイフィートが出てきた。




『……ここ気持ち悪い』



「気持ち悪い??」



「「「「わかる」」」」




イフィートの言葉をリピートすれば、四人が頷いたではないか。




















えっ!?



あたし何も感じませんがっ!?

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