第47話

これっっ、これ、ヤバくねっ!?



あたし、なんっっにも見えんのですがーーっ!?



炎が消えて真っ暗になった森。



星明かりはあるけど、圧倒的に暗くっ。



敵はいずこっ!?




ワタワタしてたら、ガッ!!と逞しい腕が腹に回り




「危ねぇっ!!」



「ぐぇえっ」




王子……だと思う。


声が王子だから。


周りに王子しかいないから。




あたしごと飛び退いた王子。




「王子よっ。王子っ」



「なんだよ」



「あんた見えるの?この暗闇で?」



「言ったろ、俺、夜型だって」
















それ……



関係ある!?




あたしも夜型(ゲーマーだから)だけど見えんぞっ!?




「てか王子っ!!火っ、火だしてよっ」




とりあえず視界を確保せねば、逃げることも出来ない。




「ちょって待てっ」



「ぐぇっ」



「なかなかっ」



「ぐぇえっ」



「コイツら素早っ」





出るっっ、今日の朝ごはんが出るっっ!!



見えないあたしのために、あたしを小脇に抱えたまま敵の攻撃を避けてくれる王子。



その度に圧迫される腹。





もうっ、もういっそのことフィルさんをっ。



ってぇ!!



王子がピンチだってのに何やってんだ、あの3人はーっ。




来る気配さえない!!




だぁあっとりあえず本当に炎でもなんでもいいから明かりをっ。




『くぅぇえっ!!』



「「ん?」」




なんか変な鳴き声が聞こえたぞ??



そして頭が暖かい……??




「おおっ」



「えっ!?何!?なんなの!?てか、なんで頭暖かい??」




しかも重っ。


首がっ。




「お前が喚んだのか??」



「何を??」




喚ぶ??




「お前の頭にサラマンダーが乗っかってる」


























……なんと!?

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