第40話

「え?お前、何咥えてんの!?」



「お?いつの間に??」



「ちょっとマツリさんっ。人が心配しているというのにっ」



「……あたしにも頂戴」




「どっっんぐぅっ!!??」




怒濤のお喋りっ!と叫ぼうとした。



その瞬間っ。



部屋で咥えたせんべいが丸々口の中へ。



んで反射的に飲み込んでしまい……




喉に詰まるよねっっ。




「んーっ、んーっっ、んんーーっっっ!!??」




死っ死ぬ!!




「おいっ!?マツリ!!」




王子の焦った表情を見ながらあたしの意識は再び闇へと沈み……
























「すぐに帰ってくるなーっ!!」





怒号が聞こえたと思ったら3度、イオリから下敷き攻撃をくらった。



なんで!?



おっ!!



なんとか、せんべいを飲み込めた。



……なっ何が起きたんだ??




一瞬の出来事の連続で何が何やら……。



絨毯に寝転んだあたしをベッドの上からイオリが見てくる。



ぐうっっ、狂暴なのに可愛いなっ、相も変わらずっ。




「わかった」



「ん?」



わかった??




「ロードであんたはゲームの世界に戻れる。あっちの世界で死にかけると"セーブ"出来るようになって、死ぬ前にこっちの世界へ戻される……と」



「ほぅ……」




それはまた……なんで??



てか、あたしはあんな短時間で2度も死にかけたのか……。



1度目は仲間に……2度目はせんべいで……。




「とりあえず、疲れたから今日は止める……」



「うんうん。そうしろ。あたしの邪魔をするな」




またあの世界へ行けることがわかっただけでもよし。



あたしがあの世界へ行く意味……。




何か……。




んーーー……。




「え?何してんの?マツリ」



「え?夏休みの宿題ですけど??」



「ハァ!?」



「おまっ、あたしはなぁっ、今からやらないと間に合わないんだよっ!!宿題が終わらなかったら、おっ母様にPS4取り上げられるんだよ!!」




夏休み前に約束させられたんだよっ!!




ファイナル・クエスト10.5が出来なくなるのだけはごめんだっ!!




と、夕御飯まで頑張ったあたしであった。




「ちょっっ、マツリ!!手が疲れた!!代わりにやって!!」



「嫌だわっ!!」



「あ"ーん?誰のおかげで帰ってこれたと思ってる?」



「すみませんっ」




デーモンイオリ閣下に邪魔されながらっ。




ほとんど進まんかったわっ!!

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