第39話
たぶん、痛がらせようとしてやってるのだろう。イズミの眉が寄っていた。
今にも唸りだしそうなイズミの顔を見て、内心、可愛いと思った。
でもそんな気持ちは微塵も出さずに馬鹿にするように鼻で笑う。
「それでも本気か?痛くも痒くもねぇよ?」
煽るように言うと、ますます顔をムッとさせる。
しばらくすると諦めたのか、小さな手から力が抜けた。
諦めたのか?と思いイズミの方を見下ろそうとした瞬間、左足に痛みが走った。
「いってぇ」
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