第38話
適当な俺の返事も気にせず機嫌良さそうにイズミが笑った。
「あたしは断然、冬が好き。だから秋はウキウキする」
「寒いだけじゃねぇか」
「そうだけど、たまに感じる温かさがいいじゃん」
こうゆうとことかと言いながら繋いだ手を上げて俺に見せた。
「それにしても小せぇ手だな…」
繋いでいるイズミの手は、驚く程小さい。
「身長と比例してるんだな」
笑いながら言うと、ムッとした顔をして無言で手に力を込めてきた。
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