第40話
すぐに離れた唇に、驚いて、目を見開いた。
視線の先には、子供みたいに無邪気に微笑む優しげな顔。
「それじゃあ、おやすみなさい」
顔と同じ、優しげな声に促されて車を降りた。
走り去って行く車を見送りながら、キスされたことに何も感じなかった自分に泣きたくなった。
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