第39話

「そんなことないです。すみません。最近少し寝不足気味だったので」



「寝不足?お仕事が忙しいんですか?」



「あ、いえ、まあ」



曖昧な返事をすると、修一さんは顔をしかめて口を開いた。



「それなら早く帰して休ませてあげないといけませんね」



その言葉に、何故だかホッと息をつき、車を降りるためにバックを握る。



「結衣さん」



ドアの方に体を向けた時、名前を呼ばれて振り返った。



と、唇に熱と柔らかい感触を感じて、キスされていることに気が付いた。

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