第24話
俯いて手元の花を見つめる。
その時、
店内に人が入ってきた気配がした。
お客さん…と思い顔を上げる。
けど、入ってきた人物を視界に入れた瞬間、奇妙な気持ちに陥った。
スーツを着た黒い大きな影。
俯き加減なその人物が雨粒を払うように頭を振ると、金色が混じるその茶髪から、キラキラと水滴が舞った。
動物のようなその動きに、何故が胸が温かくなり、優しい気持ちでそれを眺めた。
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