第23話
普段と変わらずに仕事をこなしていくうちに、花屋のガラスの向こうでは大粒の雨が降り出していた。
濡れて灰色に染まる街並みに、花が溢れる店内は、まるで別世界のように思った。
そこに埋もれている自分は、まるで周りから置いてけぼりを食らったような気持ちになる。
夢に浸かって、
現実から目を逸らしているような。
そこまで考えて、
自嘲気味に笑った。
どれだけ綺麗で、鮮やかな色の花に囲まれていても、自分は―……
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