発色

第22話

「お付き合いすることになったのね」



電話口から聞こえてきた母親の嬉しそうな声に、私は肩を竦めた。



修一さんとのことを報告した私に、電話の向こうで母親は飛び跳ねているだろう。



私なんかより、数段嬉しそう。



なんか、それが居たたまれなくて、私は素早く話を切り上げて電話を切った。



小さくため息を吐きながら顔を上げると、今にも雨が降り出しそうな曇り空がアパートの窓から見えた。



雨が降り出す前に花屋に着きたいと思い、小さなカバンをと桜色の傘を手にとり家を出た。

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