第14話

「一色結衣(いっしきゆい)です」



軽く頭を下げて顔を上げると、こちらを見ていた彼はフワリと優しげな笑みを向けた。



好感の持てる人に見えた。



お見合いは初めての経験だったが、この人となら気まずい思いもせずにいっしょにいられそうだった。



「取り敢えず、あまり堅苦しいのは無しにして、ゆっくり食事でもしますか?」



「そうですね」



頷いて、ホテル内にあるレストランに向かった。

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