第19話

名前しか知らない。




もう会わないかもしれない。





でも、もう少しだけ一緒に居たかったな。





最後にそう考えながら、完全に夢の中に落ちた。













目が覚めたのはそれから何時間か後。




乱れた髪をかきあげる。

ゆっくりベットから降り、気だるい体でシャワーに向かう。




と、




サイドテーブルに名刺とホテル代らしいお金。



目が吸い寄せられたのは、そこに書かれた本名と会社名。



そして、携帯番号。




「ふふ」




口から笑みが漏れるのが止めなれない。




ーー我妻 瑠衣ーー




それをそっと撫でると、しばらくベットに座り込み、物思いにふけった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

落花【完】 サラ @Izumi0313

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ