第7話
堂々と肌を晒した男に、私はすぐに視線を逸らした。
「お願いだから……服、着てくれる?」
気まずげに部屋の壁に掛けてある時計を見るのに集中した。
時刻は9時を少し過ぎたとこ。
今日が土曜日で、仕事が休みなのがなによりの救いだった。
男がいる背後から苛ついたような舌打ちが聞こえてきて、嫌な気分にさせてしまったことに気持ちが重くなった。
いつもそう。
一緒にいる人を苛つかせてしまうのは、すでに私の特技だ。
そんなつもりはこれっぽっちもないのに、オドオドした態度が相手にはムカつくらしい。
何度も言われてきたことだ。
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