第3話
上掛けの中で伸びをするその体に、男がとても長身なのに気付いた。
……ついでに凄く格好いいことにも。
気怠げにこちらを振り向いた男は、見たことないほど男前だった。
少し長めの黒髪に、寝起きながらも凛々しさを感じる眉。
鋭くつり上がった双眸。
通った鼻筋に色っぽい口元。
その鋭い双眸が私をひたととらえた。
「……アンタ」
肉感的な口元から低くかすれた声がもれる。
「誰……?」
………それは私が知りたい。
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