第43話

我慢出来ずに、電話を切った女に近寄って行く。隣の席に座り込み近くで女の顔を見つめると、女はギョッとしたように俺に視線を向けてきた。




近くから覗き込んだ女の瞳に溺れそうになった。




どこか謎めいたところのあるその目は、今は驚きと焦りに大きく見開いていた。




遊び慣れていないのか?




女の様子を観察していてふと思った。

だか、そんなことは関係ないと思い話しかける。




「1人なら一緒に飲まないか?」




警戒心を持たれないように、大抵の女ならついて来るだろう極上の笑みを浮かべながら言った。

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