第40話

目的地も決めずに歩いていると、視界に入った青く光る看板になぜか興味を惹かれた。




『Butterfly』




立ち止まって少し考えた後、ここで飲むことに決めた。




店の扉に手をかけ、一歩店内に入り込むと、一瞬海に潜ったような感覚に陥る。




所々に置いてある青いライトの中を、ドレスアップした女が通ると、まるで珊瑚礁を泳ぐカラフルな魚のようだ。




仕事の癖で、目立つカウンターは避け、壁にそって置かれた席に座る。




注文したビールを飲みながら店内を見回していると、近くのテーブルに座っている2人組の女が、こちらに媚びを売るような視線を投げていることに気づいたが、無視する。

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