第39話

「そりゃあ、災難だったな。……まあ、お前の気持ちもわかるから、息抜きして来いよ」




そう言うと、拓真の肩を叩いて、会議室に向かうためにエレベーターに向かって行った。




谷口を見送ると入り口の扉をくぐり警察庁を出る。




車に乗り繁華街に向かう車内から満月を見上げる。




殺人課にいる拓真は、悲惨な犯行現場を見ることはよくあった。そんな日は決まって女を抱きたくなる。




谷口も同じ男としてそれがわかるのか、見逃してくれたのだろう。




繁華街の端に車を停めると、ぶらぶらと歩きながら夜の街を観察する。

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