第35話

拓真はあっという間に過ぎた時間に驚きながら会議室を見回した。




20畳程の広さのある会議室は、今回の殺人事件の資料で埋め尽くされていた。




今は力也と二人しかいないが、この事件には後二人の刑事と、洞口警部補の5人で捜査をしている。





「…おい、まさか帰るのか?」




Tシャツね上にジャケットを羽織り帰る支度を始めた拓真を見ていた力也が、目を眇ながら声をかける。




「ああ、悪いけどほかの奴らには適当に誤魔化しといてくれ」




「……わかったよ。けど明日はお前が残れよ?そしたら俺も飲みに行く」




「了解」

会議室のドアをくぐりながら後ろに向かって返事をする。

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