第31話

背中に視線と、ますます強くなったピリピリした感覚を感じながら、なるべく落ち着いた声で返事を返す。




「…なんにもないよ。変わったことなんて」




嘘をつきながら、美香の能力が嘘を見抜けないことに感謝した。




『なんだ…、ちょっと楽しみにしてたのに』




「はいはい、私で遊ばないでよ。

……兎に角、せっかく来たんだから1人で寂しく飲んでから帰るよ。美香もそれでOK?」




『オーケイ、オーケイ。何かあったら後で電話してよね?』




「了解」

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